記者会見を終え写真に納まる(左から)日産自動車の内田誠社長、ホンダの三部敏宏社長、三菱自動車の加藤隆雄社長(写真:共同通信社)
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EV戦争が駆り立てる自動車再編の行方を予測する

 世界最大の技術見本市CESが、アメリカ・ラスベガスで2025年1月7日から10日に開催された。今年は、自動車でAI(人工知能)と高度なソフトウエアを搭載した次世代車が、顧客の新しい価値を生み出そうと競っていた。

 ここでホンダは、独自のソフト「ASIMO OS」を搭載し「レベル3」の自動運転をめざしたEVを発表した。来年以降、北米から世界展開するという。しかし、まだ試作車段階だ。

 一方で、ソニー・ホンダは次世代高級EV「AFEELA 1」を発表、受注を開始した。自動運転「レベル2+」相当だが期待できそうだ。

 ホンダと日産自動車は、経営統合の向け協議を始めることで合意したと、2024年12月24日に発表した。三菱自動車も2025年1月末までに参画を決断するとしたが、今月になり〈三菱自動車はホンダ・日産がつくる持ち株会社の枠組みには参加しない方向〉との報道が相次いでいる。

 三菱自動車は最終的なスタンスをまだ公表していないが、仮に3社による経営統合が実現すれば、売上高33兆円の世界3位連合が誕生することになる。しかし、経営統合には多くの困難が待ち受けている。

 ホンダの三部敏弘社長は「日産救済でない」と語ったが、わざわざ言わなければならないところに日産の経営の深刻さが表れている。

 実際、日産の経営不振は深刻だ。従来から従業員の7%に相当する9000人の人員削減やグローバル生産能力2割削減を表明しているが、具体的な削減計画が明らかにされてはいない。