2025年10月20日~23日に北京で開かれた、中国共産党第20期中央委員会第4回全体会議(4中全会)。 写真提供:新華社/共同通信イメージズ

 2025年10月20日から23日まで、北京で中国共産党第20期中央委員会第4回全体会議(4中全会)が開催され、政府の「第15次5カ年計画(2026~2030年)」の基本方針や長期目標が主な議題となった。公表されたコミュニケ(会議声明)では、全12分野の発展方針が示されており、その中でも産業とイノベーション分野の方針は、中国経済の次なる成長ドライバーを示唆している。本稿では、4中全会を起点に浮かび上がった「新興・未来産業」への注力と、AI/ロボティクスを中心とする新たな起業の波に焦点を当てて考察したい。

「新興産業」と「未来産業」、4中全会が描く中国の成長ポートフォリオとは

 中国は今、産業ポートフォリオを“2階建て”に再編しようとしている。4中全会のコミュニケで示された全12分野の発展方針のうち、産業やイノベーションに関する内容を整理すると、現在推進中の政策の延長線上にあることが分かる(表1)。

(出所)公開資料を基に筆者が作成
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