弱肉強食時代を生き抜くアニマルスピリッツ

 米国に挑む中国、ロシアによるウクライナ全面侵攻、イスラエル・ハマス戦争で第二次大戦後の世界秩序は崩壊し、ポスト冷戦のグローバル化、国際協調の時代は幕を閉じた。弱肉強食の世界を生き抜くにはトランプ氏流のアニマルスピリッツが不可欠とも言える。

 誰の力も当てにできない。自分で道を切り開くことができなければ中国の覇権に屈するしかない。「領土拡大」という帝国主義への逆戻りを予感させるトランプ氏の大統領就任演説は人工知能(AI)や宇宙開発で中国に負けるわけにはいかないという悲壮感の裏返しのように感じた。

 中国と米国どちらが先に火星に国旗を立てるのか。火星の年齢は45億年。地球からの平均距離が2億2530万キロメートル。居住可能性を秘めた地球に最も近い惑星で、地球から半年で到達できる。居住地を確立するのに不可欠な固い地表を持ち、一日の長さは地球とほぼ同じだ。

1997年12月、NASAの火星探査船マーズ・パスファインダーが撮影した火星の地表。岩石がゴロゴロし荒涼としている(写真:NASA/アフロ)
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 凍った水と地下に鹹水(かんすい)が存在することを示す証拠もある。直径は地球の半分強。太陽からの距離は地球が1億4960万キロメートルに対して火星は2億2790万キロメートル。太陽の光を浴び、自転軸が25度ほど傾いているため火星には地球と似た季節変化がある。