「この偉業は宇宙で科学を行うコストを削減できる」
秒速7.5キロメートルで火星の大気圏に突入、機体の熱シールドは何度突入を繰り返しても耐えられるように設計されている。スペースXの再使用可能な輸送システムはミッションコストを大幅に削減し、NASAが積み上げてきた経験とコンセプトを根底から覆してしまう。
昨年10月、スターシップの5回目のテスト飛行でスペースXは初めて機体下部のスーパーヘビー・ロケットを発射台に戻すことに成功した。スペースXは最終的には宇宙船も同じ方法でキャッチしたいと考えている。
「エンジニアリングの歴史に残る日だ」(スペースXのエンジニア、ケイト・タイス氏)。米国の科学雑誌サイエンスも「この偉業は、宇宙で科学を行うコストを削減できる、お手ごろ価格のロケット時代の到来を告げるものだ」と昨年のブレークスルーの一つに挙げた。
スペースXはすでに地球周回軌道に貨物を投入するコストを10分の1に削減している。スターシップは2〜3週間ごとに打ち上げることができ、今年は最大25回の打ち上げが予定されている。完全に再使用可能なスターシップはコストをさらに10分の1引き下げると期待されている。