100人規模の長期惑星間飛行が可能になる
しかし平均表面温度は摂氏マイナス60度と地球に比べると極寒だ。極地付近の冬は摂氏マイナス125度まで下がる一方、赤道付近の夏は日中気温が摂氏20度に達する。火星の大気は主に二酸化炭素で、窒素やアルゴン、酸素、その他微量元素が少し含まれている。
重力は地球の約38%。重いものを持ち上げて移動できる。スペースXの宇宙船とブースター「スーパーヘビー」による「スターシップ」は地球周回軌道、月、火星、そしてその先へクルーと貨物の両方を運ぶために設計された再使用可能な輸送システムだ。
高さ123メートル、直径9メートル。100~150トンを積め、100人規模の長期惑星間飛行が可能になる。宇宙船とスーパーヘビー・ロケットを組み合わせることで、軌道上で燃料を補給したり、火星にある水と二酸化炭素を活用して火星表面で燃料を補給したりできる。
スターシップは宇宙船から窓を除いたタンカー船を活用し、火星への出発前に地球低軌道上で宇宙船に燃料を補給する。これで火星まで最大100トンの輸送が可能になる。タンカー船を再使用すれば主なコストは酸素とメタンのみに抑えられる。