資源ゴミの回収委託でいくらコストが下がったか?

仲川:日本には市町村ごとに焼却場があり、そこでゴミを燃やして埋め立てています。土地が限られているのでやむを得ない面がありますが、とにかく燃やす。しかも、産業廃棄物と一般廃棄物、民間事業者のゴミと家庭ゴミと細かく分かれており、それぞれが焼却施設を保有しています。だから日本はとにかく煙突の数が多くなる。

 このように、日本は何でもかんでも燃やすけど、そもそも燃やす必要があるのかとモヤモヤしていた時に、アミタホールディングさんが「燃やさないゴミ処理もあるよ」と提案してくれました。

 僕らも極力燃やさないゴミ処理、資源循環を作りたい。そのショーケースとして一歩踏み出せればということで月ヶ瀬に「MEGURU-BIO」を置きました。まだ道半ばですが、将来的には生ゴミも収集できるようにして、サーキュラーエコノミーへの道筋をつけたいと思っています。

──資源ゴミの収集をLocal Coopに委託したことで、奈良市直営の時よりもコストは下がったのでしょうか。

仲川:あくまでも理論値ですが、行政が資源ゴミを収集していた時は年間160万円かかっていました。それが今は20万円なので、確実にコストは下がっています。

 ただ資源ゴミは、生ゴミを含む燃えるゴミに比べれば金額はそれほどでもありません。燃えるゴミの場合、収集にかかるコストは令和5年で約600万円でした。ここに、焼却や埋め立ての費用が別途かかる。やはり燃えるゴミは収集の回数がはるかに多いので、それだけコストがかかります。

 現状、月ヶ瀬では住民がONOONOにある「MEGURU-BIO」に生ゴミを持ち込む必要があるので日常的なところまではいっていませんが、今後、生ゴミを3分の1でも再資源のほうに回すことができれば、それなりの削減になります。

 もちろん、月ヶ瀬で終わるつもりはなく、こうしたゴミの再資源化は大和高原の全地区に広げていければと思っています。月ヶ瀬を含め、東部地域7地区の人口は約1万人いるので、予算削減効果もそれなりの規模になると思います。

東大寺の盧舎那大仏(写真:ogurisu/イメージマート)東大寺の盧舎那大仏(写真:ogurisu/イメージマート)