独立リーグ各球団が図ったビジネスモデルの転換

 四国アイランドリーグは当初、IBLJというリーグ運営会社の下にぶら下げられたが、その後、4つの独立した企業になった。それぞれ地元企業の支援を得て、チームを運営している。愛媛は、愛媛県、県内市町村、金融機関の支援を受けて「県民球団」になっている。

 またリーグは長崎、福岡、三重と加盟球団を増やしたが、移動経費などコストの増大もあり、四国以外の3球団は活動を停止した。それでもリーグ拡張の余地を残すために四国アイランドリーグは、2011年からリーグの名称にPlusを付けた。

四国アイランドリーグ10周年記念ポスター
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 BCリーグの各球団も運営企業が度々変わったが、地元の新聞社や地域スポンサーの支援もあって球団数を増やし、当初の4球団から2008年には6球団、2015年には8球団、17年には10球団、19年には11球団と拡張を続け、日本最大の独立リーグとなった。

BCリーグ2018年グラウンド整備をする武蔵ナイン(筆者撮影)
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 四国アイランドリーグPlusとBCリーグは2014年、一般社団法人日本独立リーグ野球機構(IPBL)を設立。日本野球の一つのカテゴリーとしての独立リーグの地位向上に努力するとともに、プロ野球やアマチュア野球との交渉の窓口の役割を果たしている。

 3つ目の独立リーグである関西独立リーグは2009年3月27日、大阪ドームでリーグの開幕戦を行い、1万1592人という独立リーグ最多の観客動員を記録したが、すぐに運営会社が撤退。以後も離合集散を繰り返して、2013年には解散してしまった。

2009年3月大阪ドームでの関西独立リーグ開幕戦(筆者撮影)
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 紆余曲折を経て、独立リーグのビジネスモデルは設立当初とは大きく変わっている。

 プロ野球のような「巨大な観客動員」を前提とした物販、飲食、広告、スポンサービジネスは成立しない。また視聴率が稼げないから放映権ビジネスも現実的ではない。

 その代わりに、地元の住民や企業に密着し、きめ細かな貢献活動によって、地域の信頼を得るとともに、NPBへの人材輩出によって、社会的な認知を図るようになった。

 独立リーグ各球団の観客動員、売り上げなど経済規模はNPB球団の100分の1程度だが、それでも採算がとれるようになっている。

 日本独立リーグ野球機構(IPBL)は、NPBに対して連携強化を求めている。

 独立リーグの経営者の多くは、MLB球団傘下のマイナー球団のように、NPB球団の「マイナー化」を求めているが、NPB側は一部球団の3軍が、独立リーグと交流戦をするなど、人的交流は進めているが、それ以上の連携については慎重な姿勢のままだ。

四国アイランドリーグ2014年8月 四国・香川とソフトバンク3軍の交流戦(筆者撮影)
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 独立リーグが誕生して今年で丸20年、近年の独立リーグはリーグ、チームも増えて大きく変貌しようとしているが、これについては稿を改めたい。