社会人野球の危機を見て独立リーグ設立に動いた一人のスター選手
2004年に起こった「独立リーグ構想」は、西武、ダイエーのスター選手だった石毛宏典氏が提唱したものだ。引退後、指導者としてMLBやマイナーリーグを具(つぶさ)に見た石毛氏は、2002年、オリックス・ブルーウェーブの監督となったが、2003年に解任された。
石毛氏は、
「3年契約のはずが1年4カ月で解任されたから、1年8カ月分の給料が残った。これを原資に独立リーグの会社を設立しよう」
と考えた。
当初は東北6県でのリーグを考えたが、移動距離が近くまとまりやすい四国4県で立ち上げることとし、2005年、四国アイランドリーグを立ち上げた。設立当初はIBLJというリーグ統括会社の下に4球団を設置した。
以前に日本に存在した独立リーグと、石毛氏が構想した四国アイランドリーグの最大の違いは、NPBとの関係だった。以前の2つのリーグがNPBとは敵対的だったのに対し、四国アイランドリーグはNPBのスター選手だった石毛氏の創設でもあり、設立当初から大物OBや球団関係者に協力、助言を依頼し、NPBとは友好的な関係を維持していた。