保守と進歩による分断は永遠なのか
現在、憲法裁には大統領弾劾の以前から出された10件の弾劾審判事件が滞っている状態だ。その中ではすでに6カ月以上もたなざらしになっている事件もある。それらを差し置いて大統領弾劾審判に手を付けるのは理解できないという意見も多い。
何よりも急がれるべきは、韓悳洙(ハン・ドクス)権限代行に対する弾劾審判だろう。というのも、議決定足数が過半数(151人)なのか、3分の2(200人)なのかを判断してくれればすぐにでも判断できる事案だからだ。
韓国では大統領の弾劾には「在籍議員数の3分の2」が必要だが、首相は単純過半数の151票で弾劾される。「大統領代行」の首相の弾劾に必要な票数について意見が分かれる中、韓代行に対する弾劾案は192票で「成立」したという経緯がある。憲法裁は早急にその判断を下すべきだろう。
その判断を示さない限り、共に民主党は大統領代行に対する弾劾を何度でも繰り返すことができる。国政マヒは目に見えている。憲法裁のこのような態度は世論に左右されているという印象を与えている。
保守層の間には、現職大統領に対する捜査機関の強圧的な捜査や憲法裁の性急な裁判スケジュールを見て、捜査と弾劾審判が「公正に行われていない」というムードが高まっている。こうした状況で、憲法裁が大統領罷免を決定することになったら、保守層は到底納得しないだろう。
尹大統領の弾劾審判がどんな結末であろうとすでに真っ二つに分断された韓国社会にはさらに深い亀裂が走ることとなるのは間違いない。