真に意味のある人権尊重の鍵は「協働(Work Together)」
最終日の閉会セッションで、国際経営者団体連盟(IOE)アジア副代表のソニヤ・ジャナヒ氏は、企業同士や企業とステークホルダーなど多様な主体同士の「協働(Work Together)」の重要性を強調した。
気候変動による悪影響の深刻化、紛争の増加、AIに代表される新技術の台頭など、「ビジネスと人権」を取り巻く環境の不確実性が高まる中で、企業が1社のみで広範なバリューチェーン上のリスクに対処し、ステークホルダーの声に対応することは非常に困難ということだ。
裏を返せば、「協働(Work Together)」こそが、これまでの国家や企業の取り組みの成果や失敗から学び、新たな一歩を踏み出すヒントとなる。
今後「ビジネスと人権」の取り組みを本格化する企業にも、すでに取り組みを進めている企業にも、他者との「協働(Work Together)」を通じて「真に意味のある」人権尊重に取り組むことが期待されている。
五味 ゆりな(ごみ ゆりな)
株式会社オウルズコンサルティンググループ・コンサルタント
総務省を経て、現職。東京大学法学部(公法コース)卒。企業のサステナビリティ戦略立案や人権デュー・ディリジェンス実施支援、調達ガイドライン策定、欧州サステナビリティ法令対応支援等のプロジェクトに多く従事。NPO等に対する戦略立案に関するプロジェクトにも従事。労働・人権分野の国際規格「SA8000」基礎監査人コース修了。