トランプ次期大統領(写真:ゲッティ=共同)
拡大画像表示

 2025年乙巳(きのとみ)新年快楽!

 本連載・東アジア「深層取材ノート」は、今週で264回を迎えました。今月20日にアメリカでドナルド・トランプ政権が発足し、世界の激変が見込まれる中、引き続き中国を始めとする世界情勢について、愚見を展開していきたく思います。

「中国封じ込め」論者がトランプ政権の軍事政策の実質的トップに

 暮れも押し詰まった先月下旬、今年の日本外交に大きな影響を及ぼしそうな動きが、アメリカと中国であった。

 まず、同盟国のアメリカについて述べる。12月22日、トランプ次期大統領が発表した。

「国防次官(政策担当)にエルブリッジ・コルビーを指名する。コルビーは、アメリカ・ファースト主義の外交と国防政策の提唱者だ。『力による平和』を実現するために、国防長官らと協力していくだろう」

 政策担当の国防次官は、国防総省(ペンタゴン)のナンバー3である。だが、トランプ次期大統領がトップの国防長官に指名したのは、FOXニュースの司会者であるピート・ヘグセス氏。ナンバー2の国防副長官に指名したのは、実業家のスティーブン・ファインバーグ氏。両者とも、もしかしたらペンタゴンに足を踏み入れたこともないかもしれない軍事のド素人だ。つまりトランプ次期大統領は、アメリカの軍事政策を、コルビー次期国防次官に託したに等しい。

トランプ政権の国防次官に就くエルブリッジ・コルビー氏(写真:Yonhap News Agency/共同通信イメージズ)
拡大画像表示