不法移民の国外追放で米国が失うもの(むっちゃ多い)

 2022年のデータによれば、不法移民の90%が労働年齢層である。国外追放は、大きな労働力の喪失につながる。

 米国の建設業と農業では、労働者の8人に1人がいなくなる。接客業では、労働者の14人に1人がいなくなる。家事代行・掃除では、労働者の4人に1人がいなくなる。特に建設業における左官、屋根葺き、塗装工といった分野では、およそ30%の労働者がいなくなる。農産物の選別作業では、およそ28%の労働者がいなくなる。

 全米で見ると、建設業からは150万人、農業からは22万4700人の労働者がいなくなる。ホスピタリティ業界では100万人、製造業では87万400人の労働者がいなくなる。自動車修理、理髪店、ドライクリーニングなどの一般サービス業では、50万800人の労働者がいなくなる。運輸・倉庫業では、46万500人がいなくなる。

 また、およそ170万人以上の不法移民は学士号(大卒)以上を取得しており、その数は、不法移民人口の15.4%を占めている。2022年度には45万7800人以上の不法移民が大学に在籍している。

 米国で起業した不法移民は現在およそ100万人いる。2022年のデータでは、年間に271億ドルの事業収入を生み出している。米政府は、不法移民による納税額も失うことになる。2022年、米国の不法移民は468億ドルの連邦税、293億ドルの州税・地方税を払っている。

 強制送還によって、不法移民を家族に含む400万世帯が家族を引き裂かれる可能性がある。現在、米国に滞在している不法移民のおよそ66.3%は成人として入国し、25.1%は5歳から17歳の間の子どもとして入国し、8.6%は5歳未満で入国している。

 不法移民世帯の39%が米国で自宅を所有している。人種で最も数が多いのは、メキシコ人の不法移民で、全体のおよそ43.1%である。