政権が変わっても、文在寅政権が選任したKBSの経営陣は、国会第1党を占めている共に民主党の庇護を受け、尹政権と保守与党を集中的に批判する報道スタンスを全く変えていなかった。

 23年3月、日本で開かれた日韓首脳会談の日程を生中継していたKBSは、岸田首相の官邸を訪問した尹錫悦大統領の姿を放送しながら、「尹大統領が日の丸に対して敬礼をする姿を見ている」と歪曲発言をした。

2023年3月、来日した尹錫悦大統領と岸田文雄首相が日の丸と太極旗に頭を下げる。韓国KBSは太極旗が見えないアングルの映像を用いて、尹大統領が日の丸にお辞儀をしたとして批判した(Yonhap News Agency/共同通信イメージズ)
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 当時、儀仗隊は日の丸と太極旗を並べて持っており、尹大統領は太極旗に向かって目礼をしたが、カメラのアングルでは太極旗が見えなく、KBS記者は尹大統領が日の丸に敬礼しているとし、韓国人の反日感情を刺激しようとしたのだ。

 韓国政府の「第三者弁済による徴用工問題解決案」を伝えるメインニュースでは、訴訟原告側の徴用工遺族と関連団体の反発と批判的な反応に重きを置いて報道し、福島処理水放流問題においてはニュースだけでは物足りなかったのか、一度廃止された時事番組を蘇らせ、政府と与党を猛攻した。

 23年11月になってようやく、尹錫悦政権が任命したジャーナリスト出身の朴敏(パク・ミン)氏が社長になったのだが、それ以降は進歩性向のネットユーザーがKBSを「親日売国放送」と罵倒するようになり、今回の戒厳令以後は「尹錫悦の内乱共犯」と猛攻を浴びせている。

 このまま弾劾政局を経て早期の大統領選挙で進歩政権が発足すれば、KBSは再び進歩勢力の最前線で反日を扇動する役割を担うことになるだろう。