① 「アルトコインブーム」が湧きおこる可能性
2025年の注目テーマの一つは、米国における暗号資産規制の見直しである。トランプ次期大統領は、バイデン政権時代の取り締まりを不合理だと批判し、就任後早々に新たな暗号資産規制ガイダンスを策定する意向を示している。
その中核を担うと考えられるのが「Financial Innovation and Technology for the 21st Century Act(FIT21)」である。この法案は、SEC(証券取引委員会)とCFTC(商品先物取引委員会)の監督範囲を明確化し、企業が直面してきた不当な訴訟リスクを軽減する内容となっている。
こうした規制の明確化により、アルトコイン(ビットコイン以外の暗号資産)市場に明るい兆しが見えてくる。
現在、ビットコインとイーサリアムが現物ETFの対象となっているが、今後はソラナやリップルといった主要アルトコインにも波及する可能性が高い。
また、「ステーキング」と呼ばれる利回りの仕組みが解禁されれば、イーサリアムなどの暗号資産がキャピタルゲインだけでなくインカムゲインを得られる金融商品になる。これらの動きは機関投資家や個人投資家の需要を新たに引きつける可能性がある。
一方で、アルトコインブームは投資家がリスクオンに傾いていることを意味しており、市場の過熱に伴う急激な調整リスクを警戒する必要がある。その動向を探るための一つの指標として、ビットコインのドミナンス(暗号資産市場全体に占める時価総額割合)が有効であり、その値が2025年に入ってどのように推移するか要注目である。