第2次トランプ政権はワシントンの「アウトサイダー」になる?
筆者はとても厄介な第2次トランプ政権のポイントを次のように考えている。
まず、トランプ氏はワシントンの「アウトサイダー」として政権を治める覚悟を決めたと言えることだ。
2016年の第1次政権スタート時にはアメリカ政治、あるいはワシントンに詳しい自分のアドバイザーや自分を支える人間を閣僚に指名した。ジャレッド・クシュナー夫妻(妻は娘のイヴァンカ)のような身内とスティーブ・バノン氏やマイケル・フリン氏などトランプを利用して政権のイデオロギーに影響を与えたい人間を首席戦略官や国家安全保障担当補佐官にしたが、彼らは第2次政権では完全に表舞台から姿を消すことになった。
トランプ政権の奥の院には存在していても、日々、トランプ政権を動かすことはしないという立場に祭り上げられたのである。
これは、トランプ氏が第2次政権をワシントンのアウトサイダーとしてコントロールすると決めたことを示していると考えられる。政権そのものが、ワシントンの泥沼(スワンプ)に巣食う官僚という名の生物を駆逐すると言っているので、アウトサイダーにならざるを得ないのだろう。
これには首席補佐官になったスージー・ワイルズ氏の思惑も関係しているかもしれない。
と言うのも、ワイルズ氏は大学を出て27歳で得た共和党での初仕事として、レーガンをホワイトハウスで支える一人として働いた経験を持つ。ワシントンのアウトサイダーとして大統領を務めたレーガン氏は、いまや「冷戦の終結」というレガシー(政権の遺産)を残し、共和党員、民主党を問わず全国民に愛される大統領として歴史に名を残している。
自分も2期目は全てのアメリカ国民に愛される存在になりたいと考えるトランプ次期大統領が無理に自分をワシントンに合わせず、レーガン氏のようにアウトサイダーの視点から第2次政権を運営しようと考えたのは理にかなっている。それはまた、トランプ氏をこの先レーガン元大統領に寄せていきたいワイルズ首席補佐官の考えとも合致する。