クラブでも日本代表でも、ピッチの右半分でプレーする時間が長い久保にとっては、このエリアから最終的にどうゴールを仕留めるのかは最大のポイントだ。

中に切れ込むか、縦にえぐり切るか

 縦か中か。その意味では日本代表でも同じようなシーンを見た。

 10月、埼玉スタジアムで行われたオーストラリア戦の試合後に久保はこんなことを話していた。

「縦にはいけていましたけど、クロスをあげるためじゃなくて、もっと侵入していくほうが相手も嫌なのかなと」

FIFA W杯 2026アジア最終予選のオーストラリア戦での久保建英(写真:アフロ)
拡大画像表示

 長身選手の多いオーストラリアは徹底して中を切り、久保を縦へ誘導し、クロスをあげさせていた。

 リーガでも中に切れ込みシュートに持ち込まれるパターンが相手にとっては最も避けたいプレーであり、左足を切るのは対久保における常套手段でもある。

 そんな対応を前提に、それでも中に切れ込む、あるいは縦にえぐり切る。そのために久保がここ数年取り組んでいるスピードの強化が、まさに開花しつつある。