(写真:なかしまだいすけ/アフロ)

 予想を上回る活躍をみせ、気がつけばひと段階高いところにひょいと駆けあがってしまう、そんな飛躍のシーズンがある。

 ペルージャで見せた圧巻のパフォーマンスで欧州での日本人選手のパイオニアとなった中田英寿の1998〜1999シーズン。CLの舞台でマンチェスターUにFKを決めリーグ年間MVPを獲ったセルティックの中村俊輔(2006〜2007)や、ドルトムント加入1年目から躍動し優勝した香川真司(2010〜2011)など、どんな時代にも、その選手の評価を大きく引き上げた印象的なシーズンがあった。

 久保建英の2022〜2023もまさにそんなシーズンとなった。

ラ・リーガを代表するプレーヤーのひとりに

 今季は通算9得点6アシストで、サポーターが選ぶレアル・ソシエダ年間最優秀選手に選出。スペインのムンド・デポルティボ紙や、米スポーツサイトのThe Athleticはリーガの年間ベスト11に久保を選んでいる。

 2メディアともベスト11の前線は、レバンドフスキ(バルセロナ)、ビニシウス(レアル・マドリード)、グリーズマン(アトレティコ・マドリード)、久保、と同じ顔ぶれだ。久保が入ったことに対して疑問を投げかける声を耳にすることもない。今では完全にラ・リーガの顔のひとりとなっている。