(取材・文:松原 孝臣 撮影:積 紫乃)
スポーツで助けられている人生
出水慎一がスポーツトレーナーを目指そうと考えたのは高校時代だった。
当時、出水はサッカーに励んでいた。プロになりたいと思っていた。ただ怪我が多かった。
「それであきらめたということです」
怪我がちな中で、得た知識があった。
「怪我するとレギュラーから外れるので怪我しても言わない。無理やりやっていてよりひどくなる。それを何回か繰り返していて、怪我すると当然リハビリ期間があるんですけど、怪我したところを強化するためのトレーニングが多いんですね。しっくりこないなと思い、怪我する前よりも体の状態がよりパワーアップしていい状態にならないのかなと調べていて、トレーナーという仕事があるのを知りました。
もう1つ過去をたどると、私はスポーツで助けられている人生なんです。昔はやんちゃな方で、中学校でもサッカー部に入っていたけれど即レギュラーになれなかったから行かなくなったこともあります。でも2年生の3学期に顧問の先生が、『そろそろサッカー本気でやったらいいやん』と声をかけてくれた。もう1回サッカーを始めて、サッカーのおかげで高校にも進めるようになり、なんだかんだスポーツに救われたというのがありました」
スポーツで生きていこう——選んだのがスポーツトレーナ―だった。
