2018年2月23日、平昌オリンピック、FSの演技を終えた宮原知子 写真=アフロ
(取材・文:松原 孝臣 撮影:積 紫乃)
宮原の「芯」はどこにあるのか?
選手にかける言葉をシミュレーションして考える。そこからもうかがえるように、スポーツトレーナー出水慎一は、選手のメンタル面にも十分気を遣いながら、あるいはそこに主眼を置いてサポートにあたってきた。
だから出水はサポートをスタートするにあたって、選手の「芯」を知ることに努める。
「フィギュアスケートであれば、フィギュアスケートを何のためにやっているのかといった話ですね。芯がどうなのかによって、コミュニケーションを変えるようにしています」
2015-2016シーズンから宮原知子をサポートするにあたって、宮原の「芯」はどこにあるのかを探った。
『みんなに見てもらって、みんながほんとうに笑顔になってほしい、喜んでもらいたい。だからスケートをしている』
それが宮原の「芯」だった。
「そこを中心にしようと思いました。当時、声が小さかったので、そういう部分についても『みんなに喜んでもらいたいというのに小っちゃかったら、目的とちょっと違わない?』といった話もしました。何かきっかけを作りながら、『見せたい、見てほしい』という知子ちゃんの手伝いもできないかなという思いがありました」
