スタジアムに響く「クーボー、クーボー」

 何よりも頭にあるのはゴールという数字だ。

「ゴールとアシスト両方とれたらベスト。アシストの方はまだですけど、とりあえずゴールは見えてきてるので、今季10点は取りたい。今季のパフォーマンスに満足はしてますけど、シュートチャンスは毎試合作れている。もっとそれを決めきるというのが課題。数字を貪欲に求めていきたいと思います。基本、決めたら試合に勝てるので。それを、もっと毎週」

 ゴールを決め数字を残せば、レアル・ソシエダも、日本代表も、メディアに取りあげられる。試合数の多さはコンディション維持を考えるとマイナスではあるが、日本でのサッカー人気のことを考えてプレーする自分もいる。

「過密日程と言っても、これで週1しか試合がないチームに行ったら……。中村敬斗選手も『もっと試合をしたい』と言っていたので、過密日程であることに感謝したい。やっぱりサッカーって他のスポーツと違って週2で試合が多いというくらいなので、ニュースになる機会も少ない。となると、やっぱり毎試合ゴール決めないと」

(写真:なかしまだいすけ/アフロ)
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 土台があがったと久保は言う。クラブと代表で、パフォーマンスは確実に上がっている。

 アヤックス戦でピッチを後にした際、スタジアム中に「クーボー。クーボー」とサポーターの久保コールが鳴り響いた。本拠地のサン・セバスティアンではもちろん、スペイン全土でこれまでにないほどその名前を耳にする。欧州での彼への評価も、また次の段階にはいりつつある。