簡易版シミュレーションは危険!?
そこで、ふるさと納税をする方は、上限を超えたくないので、ふるさと納税のポータルサイトなどにある「控除額シミュレーション」のページで自分の寄附上限金額を試算していると思います。
D男さんももちろん、ポータルサイトの控除額シミュレーションで自分の控除額を試算しました。
D男さんは、家族構成と年収(900万円)のみ入力する「簡易版のシミュレーション」を利用したところ、上限金額は14万8000円との試算結果に。奥様と相談して、上限金額ギリギリまで寄附したそうです。
ここまでお話を聞いて、「医療費が高額にかかったとか、iDeCoで運用しているとか、思い当たることはありませんか?」とお聞きしたところ、この年は、ご夫婦でインプラントの治療を受けたそうで治療費は120万円になったとのこと。そこで、医療費控除を受けるために確定申告をしたそうです。
医療費控除の対象となる金額は、医療費の補填金(医療費の補填を目的として支給された保険金や給付金などの金額)がない場合は、「その年に支払った医療費-10万円」で算出することができます。D男さんの場合は、120万円-10万円を差し引いた110万円が対象となる金額です。
そこで、改めて、今度は「詳細版シミュレーション」で試算してみました。医療費控除を反映すると、寄附金の控除上限額は約11万3000円となりました(シミュレーションの結果は、条件やポータルサイトにより若干異なります)。
なんと3万円以上も上限額を超えていました。まさに冒頭で奥様がお話していた不安は的中したわけです。