ポストが軽くみられている? 

 不必要な“軽口”が原因となり、政務官を辞した事例もあります。

 2016年9月、内閣府政務官兼復興政務官だった務台俊介氏(元自民党衆院議員)は東日本大震災の被災地を訪れた際、足元の悪い現場では職員におんぶしてもらっていたことが明らかになり、謝罪しました。

 これで一件落着かと思われましたが、務台氏は半年後の政治資金パーティーで「長靴事件があったものですから、政府の方で長靴がえらい整備されたと聞いている。長靴業界はこれでだいぶもうかったのではないか」などと発言。当時の菅義偉官房長官から厳しく注意され、辞任に至りました。

 政策や政治姿勢が原因となったケースもあります。自民党衆院議員で外務政務官だった水野賢一氏もその一例です。水野氏は2002年8月、台湾訪問の是非をめぐって外相と意見が対立し、「台湾訪問が認められないのはおかしい」として外務政務官を辞任しました。

 ただ、辞任理由として目立つのは、女性問題などのスキャンダルです。通常、大臣や副大臣、政務官という政務三役に就く場合、その政治家にスキャンダルがないかどうかの入念なチェック「身体検査」が行われるとされています。それでも女性問題や金絡みでポストを追われるケースが後を絶たないのは、「政務官」というポストが軽く見られているためかもしれません。

フロントラインプレス
「誰も知らない世界を 誰もが知る世界に」を掲げる取材記者グループ(代表=高田昌幸・東京都市大学メディア情報学部教授)。2019年に合同会社を設立し、正式に発足。調査報道や手触り感のあるルポを軸に、新しいかたちでニュースを世に送り出す。取材記者や写真家、研究者ら約30人が参加。調査報道については主に「スローニュース」で、ルポや深掘り記事は主に「Yahoo!ニュース オリジナル特集」で発表。その他、東洋経済オンラインなど国内主要メディアでも記事を発表している。