元「SPEED」「おニャン子」という理由でバッシング

 今井氏は1990年代、女性4人組のアイドルグループ「SPEED」のメンバーとしてデビューし、その後も音楽界で活躍しました。2016年の参院選(比例区)に立候補して初当選。2019年9月に発足した第4次安倍内閣で内閣府大臣政務官を務めた経歴があります。

2022年の参院選で街頭演説する今井絵理子氏(写真:Pasya/アフロ)

 今井氏は、発足したばかりの第2次石破内閣で復興大臣政務官兼内閣府大臣政務官に起用されると、自身のXに次のように投稿しました。

「2回目の内閣府大臣政務官を拝命しました。担務は沖縄及び北方対策や防災、復興をはじめとする20の分野にわたります。 現場第一主義で様々な課題に向き合ってまいります」(2024年11月13日)

 一方の生稲(いくいな)晃子氏は、1980年代に大ブームとなった女性タレントグループ「おニャン子クラブ」のメンバーでした。その後もアイドルユニット「うしろ髪ひかれ隊」や女優として芸能界で活躍。2022年の参院選(東京都選挙区)で初当選し、第2次石破内閣で外務政務官に起用されました。生稲氏の政務官就任は初めてです。

2022年の参院選で街頭演説する生稲晃子氏(写真:Pasya/アフロ)

 この2人の政務官就任が伝わると、SNS上では「タレント議員に何ができるのか」という趣旨の投稿があふれました。今井氏については過去のスキャンダルに言及するなどし、生稲氏については「外交の素人に何ができるのか」といった内容が中心でした。「この人事に国民は呆れている」などというメディアの記事も現れ、SNSやネットはちょっとした騒ぎになったのです。

 一方、こうした流れに正面から異論を唱えた人もいます。共産党の大門実紀史・参院議員もその1人。大門氏はXで「バッシングがひどすぎる。元女性アイドルだから何もしていないだろう、できないだろうと決めつけてたたくのは、職業にたいする偏見やジェンダーバイアスではないのか」と強調。そのうえで、今井氏については「聴覚障がい者支援でずっと頑張ってこられた。一昨日もそのことで私の部屋に相談に来てくださった」と言及しています。