昨年、中国は世界のEVの6割弱を製造
国際エネルギー機関(IEA)は昨年、世界全体で約1400万台の電気自動車(EV)が新規登録されたと報告している。60%弱が中国、25%弱が欧州、10%が米国で、合計すると世界のEV販売台数の95%近い。道路を走行するEVの総数は4050万台に達した。日本は「蚊帳の外」状態だ。
国連貿易開発会議(UNCTAD)の報告書「不満の時代における開発再考」によると、中国は交通の未来と気候変動対策にとって重要な自動車産業の支配的プレーヤーとしての地位を固めている。中国の台頭は自動車生産、世界の貿易と投資の地理的な変化を如実に物語る。
世界の自動車産業は国際分業の縮図であり、貿易統合の最も象徴的な指標の一つだという。米国のデトロイト、ドイツのシュトゥットガルト、日本の名古屋を拠点にしていた自動車生産は貿易上有利な人件費の安い低コストの地域に移ってきた。
1980年代にはメキシコ、韓国、スペイン、90年代はチェコ、スロバキア、タイ、2000年代はブラジル、インドネシア、モロッコに生産拠点が移された。しかし自動車生産は今や多くの途上国や一部の先進国にとって手が届かぬ高嶺の花となっている。