EVも大量生産によるコスト縮小が勝利の方程式
自動車メーカーが収益を上げるためには「規模の経済」を確保しなければならない。自動車の基本構造となる単一プラットフォーム上で製造することによってコストを削減できる。スケールメリットを活かすには同じプラットフォームで年間最大25万台を生産する必要がある。
しかし収益性を高くするためにはさらに大きな生産規模が必要となる。単一プラットフォームで求められる年間生産台数は約100万台と、ハードルは飛躍的に高くなる。この生産レベルを実現できる国は中国や欧州、米国、日本、インドなどに限られてくる。
EV生産の費用対効果を高める原理原則はガソリン車やディーゼル車と同じで、大量生産によるコスト縮小が勝利の方程式だ。EV用バッテリーの場合、工場当たり40万~50万台分の生産が必要になる。需要の高い市場の近くに生産拠点を置くという戦略も変わらない。
EV用バッテリーは重量が重いため輸送コストが上昇し、「売れる場所で生産する」法則が一段と強まる。政府の強力な支援に後押しされ、中国のEV産業は大きな力を持つようになった。今年、中国のEV販売台数は1200万台に達する可能性があるとUNCTADの報告書は予測する。