社会に埋もれた多様なニーズ:星槎大学
例えば、「大学」が生き残りを考えるとき、少子高齢化の進行に任せて学生パイが減る分、経営を縮小させていっても未来は広がりません。
ここで観点を変え「社会人のステップアップ教育」に目を転じてみたらどうでしょう?
一例が星槎大学という特色ある大学です。
先年逝去されましたが、宮澤保夫さんという一代の傑物が創設された学校で、学校の先生たちが一定以上の在職年数が経過してから受験する「教頭試験」「校長試験」など「管理職選考試験」の受験をサポートするなど、ゴタゴタした社会の中に埋もれていたニーズを拾い出し、丹念にカリキュラム化することで成長した大学で、ここは2050年以降もまず淘汰されることがない、強い生命力を持っていると思います。
私の尊敬する元先輩同僚で、長年にわたって多大なご指導もいただいている山脇直司教授が学長を務められ、いまだ山脇さんが東大在職中から「面白い大学」として星槎大学につないでいただきました。
宮澤さんとも大いに意気投合したのですが、それはいまだ3.11東日本大震災以前のことでした。
こののち星槎グループの多様な取り組みに触れさせていただき、とりわけ福島第一原子力発電所事故以降の復興支援では星槎大学のご協力で、被災地への放射線可視化授業の出前など、私自身も微力ながら、現地に足を運ぶ機会を持つことができました。
この「星槎グループ」に見られるような、これからの変化する社会に埋もれたポテンシャル・ニーズをいち早くキャッチし、時代に即応したカリキュラムを逞しく作って行ける大学・学校は、学力水準のいかんを問わず、2050年と言わず22世紀にも命脈をつなげていくと思います。
その際、2020年代以降の教育では「AI支援」の適切な導入が成否のカギを握る場合が少なくないと考えられます。
そうした各論もご紹介したいと思うのですが、今回はここで紙幅が尽きました。続きは別稿を準備したいと思います。