トランプ政権誕生が決まり、韓国の尹錫悦大統領はやめていたゴルフを再開した(写真は11月7日、記者会見する尹錫悦大統領、写真:YONHAP NEWS/アフロ)

 韓国の尹錫悦(ユン・ソンニョル=1960年生)大統領は2024年11月10日、5年の任期のちょうど折り返し点を迎えた。

 日曜日のこの日、大統領室と政府の経済、安全保障分野の幹部、閣僚を集めて2時間にわたって緊急会議を開いた。

「第2期トランプ政権」への対応策を話し合うのが目的だった。

「任期折り返し点通過」の記念行事などなし。

 日曜返上で大統領室の各部門トップ、経済副首相、外相、国防相、産業通商資源相などを「全員集合」させて緊急会議を開いたのは、それだけ韓国の産業界などで「トランプ政権」への懸念が強いからだ。

任期折り返しの日に緊急会議

 尹錫悦大統領はこの日「経済副首相兼企画財政相をトップに、金融、通商、産業分野であらゆる事態に備えるように」などと指示した。

 韓国で特に危機感が強いのが、半導体、自動車など成長の牽引役である大企業だ。

 トランプ政権が打ち出す政策次第で事業に大きな影響が出るからだ。

「よりによってこのタイミングで・・・」

 韓国の産業界が警戒するのは、ここ数年、韓国の対米貿易黒字が急拡大していることが背景にある。

「日韓逆転」

 ここ数年、様々な経済分野で、韓国が日本を追い抜く場面が続いている。IMF(国際通貨基金)の経済展望では韓国の1人当たりGDP(国内総生産)が日本を抜いた。

 2024年には、年間貿易額で初めて韓国が日本を抜く可能性も高まっている。

「日韓逆転といっても、こういうのが本当に心配だ・・・」