「大麻使用で罰則」の抑止効果
舩田:近年、若年層で大麻の乱用が拡大しています。「使用しても捕まらない」という点が、安易に大麻に手を出す理由の一つだと考えられています。そのような点で、使用にも罰則が設けられるということは、大麻乱用の抑止効果が期待できます。
一方、近年流通している大麻の中には、THC濃度が極めて高いものがあり、その危険性が指摘されています。大麻に使用罪が加わるということ、さらには流通している大麻の危険性が増大しているということを理解してもらうため、安易に乱用しないよう注意喚起していく必要があります。
──今回の法改正の全体的な評価を教えてください。
舩田:これまでの大麻取締法では、医薬品も含む大麻草由来の成分を含む製品が使用できないという規定でした。医薬品としての利用を可能にするという点で、特に対象となる疾患の患者様、ご家族の方にとっては今回の改正は非常に有意義なものであると感じています。
同様に、今回の改正では、CBD製品の流通は、今後拡大していくと推測されます。流通拡大にあたり、CBD製品の品質を保証していく必要があるでしょう。
また、使用罪を導入し、大麻使用の取締を強化するという点で考えると、大麻依存、つまり薬物依存の治療システムも併せて充実させることが望まれます。大麻の問題に関しては、乱用させないということに加えて、再乱用も防止する必要があります。そのような総合的な体制も改めて考えていかなければなりません。
関 瑶子(せき・ようこ)
早稲田大学大学院創造理工学研究科修士課程修了。素材メーカーの研究開発部門・営業企画部門、市場調査会社、外資系コンサルティング会社を経て独立。YouTubeチャンネル「著者が語る」の運営に参画中。