2.同盟を恒久化したい北朝鮮の儚き夢

 軍事協力についての表現は同じだが、プーチン大統領が1961年の条約と同じだとは言わず、近い内容と発言したのは、両国の思惑が違っているからだ。

 1961年の条約は北朝鮮の方が軍事支援を強く求めていたが、今回はロシアの方が兵器や人的支援が必要なのだ。

 ロシアは切羽詰まっているし、北朝鮮は軍の近代化にロシアの支援が必要であり、相互の供給がぴったりと当てはまったところである。

 ただし、望むのはロシアは戦っている今だけであり、北朝鮮は戦争の後も続けたい。

 この条約には、「自国の法律に従って」と記されている。

 この自国の法律で、戦争中の協力・支援の制限を加えられるのだが、戦後には、ロシアが自国の法律を書き換え、あるいは新たに作ることによって、協力・支援を停止する可能性が含まれているようにも思える。