3.旧ソ連から得たのは旧式兵器ばかり
ソ連が崩壊するまでは、北朝鮮軍の主な兵器は旧ソ連と中国から供与されたものであった。
旧ソ連からは、戦車・歩兵戦闘車×約1000両、装甲車×約600両、火砲×900門、空軍機×約300機、W級潜水艦×4隻、哨戒艇×約20隻など多く供与された。
中国からは、戦車×約100両、装甲車×約500両、ロメオ級潜水艦23隻と空軍機「MiG-17・19・21」など約300機である。
潜水艦と空軍機の旧式のものは中国から供与されたものであった。
中露とも、ほとんどが自国で使用しなくなった兵器を北朝鮮に大量に供与したのである。
ソ連崩壊の前に供与されたのは、北朝鮮空軍の中で比較的新しい「MiG-29」の18機だけである。
ソ連崩壊後、金正日総書記は近代兵器の導入のために、ロシアを何度も訪れ、「Su-27」などの新型戦闘機の無償供与を求めたが、得ることはできなかった。
中露から見れば、北朝鮮は対等な国ではなく、格下の都合よく使える国としか見ていなかった。
石油製品については、ロシアが1989・90年頃まで約50万トンを無償で供与していた。
その後は有償となり、石油製品を購入することができなくなった。
併せて食糧不足にもなり、1990年中頃には、国内に多くの餓死者が出た。中国は、石油製品50万~100万トンを供与し続けている。