6.軍事技術の提供次第で変わる派兵人数
ロシアは、北朝鮮から多くの兵士を得たいと思っている。ロシア軍の苦境を直接手助けできるのは北朝鮮だけだからだ。
両国ともこのことを十分に理解している。そのため、プーチンはこれまで、自ら北朝鮮を訪問し、金正恩と握手し、金正恩を持ち上げてきた。
国防大臣や外務大臣も訪問して、友好の姿勢を示した。
ロシアはこれまで、北朝鮮に対して大国に頭を下げてくる小国の北朝鮮に「支援してやっている」という態度であった。
ソ連が崩壊して支援ができなくなると、それまでの支援を止めたのがロシアであった。
両国とも過去の関係を認識しつつ、ロシアは北朝鮮から多くの軍事協力、特に兵士派遣を頼み、北朝鮮はこの機会を利用して、最大の支援を得ようとしている。
これまでの露朝関係については、北朝鮮もロシアも十分に認識しているはずだ。
今になって、北朝鮮の崔善姫(チェ・ソンヒ)外務大臣の訪露時に、プーチン大統領がわざわざ会って握手するなど手厚くもてなしても、プーチン大統領の笑顔の奥に何が潜んでいるのかを理解している。
過去の関係の経緯については十分に承知しているからだ。
ただ、今回ロシアを訪問しプーチン大統領と握手した崔善姫外務大臣は、「我が国は(ウクライナ紛争で)ロシアが勝利する日まで同志であるロシアを断固支援する」と明言してしまった。
この言葉は今後、北朝鮮に重くのしかかることになるだろう。