トランプ氏自身は台湾支援に懐疑的

 第2次トランプ政権は台湾問題にどうアプローチするのか、まだ全く見えない。米シンクタンク、ブルッキングス研究所のリチャード・ブッシュ上級研究員らは「トランプ氏の台湾に対するアプローチはほとんどの外交問題のアプローチと同様、予測が難しい」と指摘する。

 トランプ氏自身は台湾など米国の同盟国のために米軍を前方展開して危険にさらすのに懐疑的だが、第1次政権は台湾支援に前のめりだった。当時の政府高官は「これまでで最もタカ派の台湾チームだが、習氏が電話で文句を言えば大統領の直感はそれに流される」と米紙にこぼしている。

 ビジネスマン出身のトランプ氏は、台湾は中国に比べてあまりに小さく、米国からも遠く離れていると感じている。一方、第1次政権は戦略文書で「台湾が効果的な非対称防衛戦略と能力を発展させ、中国と関与する能力を確保できるようにする」とタカ派ぶりを見せた。

 この戦略の一環として第1次政権は台湾への武器売却を増加させた。F-16編隊のアップグレード、沿岸防衛システム、ロケットランチャー、魚雷など約180億ドルの武器売却が決定された。アレックス・アザール保健福祉長官(当時)ら政府要人の訪台が続いた。