AP通信のフォトグラファー、エバン・ブッチ氏の「奇跡の一枚」。トランプ前大統領は7月13日の選挙集会で銃撃された直後、拳を上げて強さをアピールした(写真:AP/アフロ)
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米大統領選でトランプ氏の当選が確実となりました。異例づくしの接戦となりましたが、トランプ氏を勢いづけたのが7月の暗殺未遂事件。銃撃直後に拳を高く上げた写真は「奇跡の一枚」と呼ばれ、その後の選挙キャンペーンで支持者がTシャツにプリントするなど、「戦う強いトランプ」を印象づけました。JBpressではこの写真を撮影したピュリツァー賞カメラマンのエバン・ブッチ氏が捉えたトランプ氏やバイデン現大統領などの「決定的瞬間」を厳選して掲載。トランプ氏勝利を受けてもう一度お届けします。(初出:2024年7月18日)※内容は当時のものです。

  • トランプ前大統領の暗殺未遂事件で、銃撃を受けた直後に拳を高く上げる写真が、「奇跡の一枚」として話題だ。
  • 撮影したのはエバン・ブッチ氏。AP通信に所属し、黒人男性のジョージ・フロイドさんが白人警官に押さえつけられ死亡したことへの抗議デモを撮影した一連の写真で、2021年にピュリツァー賞を受賞している。
  • SNSなどで「完璧」と賞賛される一瞬の構図を捉えた腕前は、これまでも様々なシーンで発揮されてきた。ピュリツァー賞を受賞した写真や、トランプ氏の「薄毛」写真、驚きの構図の写真などを紹介する。(JBpress)

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「奇跡の一枚」だけじゃない

「奇跡の一枚」は、そのインパクトの強さから太平洋戦争中に撮影された「硫黄島の星条旗」や、19世紀の画家ドラクロアが描いた「民衆を導く自由の女神」と比較する声がSNSなどを駆け巡った。

太平洋戦争中に撮影された「硫黄島の星条旗」(写真:AP/アフロ)
19世紀の画家ドラクロワの「民衆を導く自由の女神」

 こうした歴史的な写真や絵画と比較されるほど「完璧」とも評される構図で、トランプ氏が銃撃された大混乱の中で冷静にカメラを構えたエバン・ブッチ氏の腕前は世間に大きな驚きを与えた。もちろん、現場に居合わせたブッチ氏が撮影した写真は、この「奇跡の一枚」だけではない。それ以外にも、印象的なシーンを多数、捉えている。

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 例えば、シークレットサービスの緊迫した動きにもカメラを向けている。また、集会後も現場にとどまり、誰もいなくなった会場に散らばるプラカードや空のペットボトルを撮影し、トランプ支持者が慌ただしく立ち去った様子を伝えている。

トランプ前大統領が襲撃され緊迫した様子のシークレットサービス(写真:AP/アフロ)
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ゴミが散乱した会場からは、トランプ支持者が事件後、慌ただしく立ち去った様子が伝わってくる(写真:AP/アフロ)
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