中国人留学生の突出

 2019年に前倒しで30万人留学生を達成したが、2021年5月1日の外国人留学生はコロナの真っ最中で前年より3万7000人超減少し、24万2444人であった。

 その内訳は多い国から中国11万4255人(47.1%)、ベトナム4万9469人(20.4%)、ネパール1万8825人(7.8%)、韓国1万4247人(5.9%)、インドネシア5792人(2.4%)、台湾4887人(2.0%)。

 以下のスリランカ、ミャンマー、バングラデシュ、モンゴルなどが1%台、その他は1%未満の国々である。

 中国からの留学生は漢語圏の近隣国で人口も格段に多いなどから、元々多かった。

『週刊文春』(2024年10月10日号)によると、2024年5月現在の中国人留学生が占める比率は66.5%だという。

 2014年5月は39.5%であったから、この10年間で約1.7倍となっている。2021年からの3年間だけでも1.4倍だ。

 しかも、中国では高考(大学入試)を経て大学進学を目指す普通科高校と、就職を目指す職業高校があるが、職業高校は社会の底辺という刷り込みが大きい。

 先生は成績主義者が多く、勉強できない生徒はダメな奴と思うタイプだという。

 朝8時前から授業が始まり18時半頃終わると、その後は出された課題に24時どころか26時(翌朝の2時)までも机に向かう。

 良くも悪くも今の中国は古代から近代まであった科挙制度に先祖返りしているのかもしれない。

 中国国内では大学卒業者でもなかなか就職が難しく、また大学のブランド志向も強いという。

 こうした傾向は2019年頃から顕著になったそうであるが、中学校ではルールの一番初めに「(共産)党を愛する」ことを約束させられ、国内ではフェイクニュースばかりが流されているともいう。

 このような状況から大学志向の者たちの日本留学も増えているのだ。

 先の週刊誌情報では東京大学に限って見ると、学部生(1万4000人)と大学院生(1万3500人)合わせて2万7500人であるが、この内の3396人、すなわち12%が中国人留学生である。

 日本の高校卒は留学枠に入っていないそうであるが、日本の高校から東大に進む中国人学生も多いようだから、東大で学ぶ中国人となるともっと多くなる。

 2014年5月の中国人留学生は1136人であったから、ここでは10年間でほぼ3倍になっている。

 学部や大学院のゼミでは日本人ゼロで中国人ばかりが出ている状況だという。

 中国人に人気のある早稲田大学にも約3300人が留学生として在籍している。早大の学生数は東大の2倍弱の4万8000人であるが、中国人留学生は約3300人で7%の比率である。

 このほか、中国人留学生の多い大学は立命館大学で、昨今は京都大学、大阪大学、東北大学などの人気が高まっており、ランキング上位の国立大学にはそれぞれ1000人以上の中国人留学生が在籍しているとされる。

 中国人留学生のブランド志向が明確である。