「政治とカネ」問題を前面に打ち出さず

 劣勢明らかな与党にとって国民民主党はどのような存在か。

 この総選挙の国民民主党の政策のキャッチコピーはそのものずばり「手取りを増やす。」「手取りを増やし、インフレに勝つ。」だった(国民民主党「第50回 衆議院議員総選挙 特設サイト」)。

 国民民主党は「給料・年金が上がる経済を実現」「自分の国は自分で守る」「人づくりこそ、国づくり」「正直な政治をつらぬく」という4つの主張を打ち出した。

 少々興味深いのは、事前の各社世論調査などでも関心が高かった政治とカネ問題を前面に打ち出していないことである。

 実際、投開票が開けてから、榛葉幹事長などが「政治とカネばかりが日本社会の問題ではない」という趣旨の発言を行っているが、独自のポジションを取ってきたことがピタリとハマっているともいえる。
 
 しかし、なかでも国民民主党の事実上の政策の柱となっているのは、これまで長く主張してきた基礎控除引き上げとガソリン税のトリガー条項凍結解除など、現役世代重視で幅広く有権者に訴求しそうな2本といってよいだろう。