国民民主党の打ち手がなぜうまいといえるのか
このような環境のなかでの、国民民主党の打ち手はなかなかうまい。
首班指名選挙で玉木代表の名前を書くという選択は、建前として、与党と野党双方の顔を立てることができる。
支持者に向けても、ある意味当然ともいえる是々非々という「これまでの方針」の一貫性を維持できる。
しかしながら、首班指名では結果論として政権交代を起こさず、石破総理過半数を強く後押しすることから、与党に対して極めて大きな「貸し」を作ることになる。
しかも自民党も公明党以外の連立は考えていないと公言しているし、国民民主党もまた連立に参加しないと述べている。
それらを前提とすれば、国民民主党は今後、立憲民主党などとともに内閣不信任案に与することもできる。
ただ提出するだけではなく、維新の協力や自民党内から造反組が出るなどすれば、数の上では十分に不信任案成立の可能性があるのだから、今後、自公政権に対しても、野党に対しても、国民民主党は極めて大きな存在感を持つようになるだろう。
言うまでもないが、不信任案が成立してしまえば、内閣は総辞職か議会の解散を迫られる。