5.北朝鮮兵は精鋭だが近代戦の戦術能力欠如
北朝鮮の場合は、戦うための装備品を持たないで訓練している写真が多い。一例として、北朝鮮中央通信が今年3月に空挺部隊の訓練として掲載したもの(写真3)を解説する。
写真3 北朝鮮落下傘部隊空挺降下後の訓練
写真1では、兵士が戦闘に必要な20キロほどの装備品を持って、実戦的な訓練をしている。
この装備品は、実戦の戦闘では最小限携帯する量である。
写真3の空挺兵は、落下傘降下後の戦闘訓練だが、銃以外は何も持っていない。
100発近い弾丸が入った弾倉、手榴弾、そして水筒でさえも携帯してはいない。北朝鮮の訓練で銃以外は何も持っていない写真は数多く見られる。
私は陸上自衛隊第1空挺団で小隊長だった頃、落下傘のほかに、約20キロの装備を携行して落下傘降下を行い、その後その装備品を携帯した戦闘行動(訓練)を行っていた。
落下傘降下しても、戦闘に必要な弾薬を含めた装備を持って行動することは当然のことだ。
どの兵種であっても、実際に戦闘する状態を想定して訓練を行うのが通常の軍隊である。現実に、戦うための訓練を行っているのだ。
ところが、北朝鮮軍はこれまで見せかけの訓練をやっている場合が多かった。
今回、精密誘導兵器が飛び交う戦場に投入されれば、対応できずに、砲弾の餌食になってしまうだろう。