結婚のバランスシートを作ってみる
しかし、そんな思いを抱きつつも、離婚を進めるのを慎重にさせる要因もいろいろあります。
相手が離婚など考えてはいないような場合には、それを受け入れてもらうのに多くのエネルギーが要りますし、自分が離婚をしてまでやりたいことだとしても、その実現までには様々なリスクが伴うかもしれません。
離婚後の生活維持に不安を感じる場合もあるでしょうし、子供がいる場合には子供にネガティブな影響を与えてしまわないか、心配な部分も残るでしょう。
また、現状には不満ばかりを感じるものの、かといって実際に離婚したらどう生きていくかのビジョンや見通しがないために、先に進められないケースもあります。
このように、夫婦関係に何かしらの理由で満足していない場合には、離婚することで得られるメリットと失うデメリットやかかるコストを天秤にかけ、メリットが大きいと判断できれば、離婚の方向でアクションを取りやすくなりますね。
また、明らかにデメリットやコストが上回る場合には状況が変わるまであえて様子を見るという選択もあるかと思います。
難しいのは、実際にメリットとデメリットのどちらが大きいかを自分で判断をするのが難しかったり、メリットが大きいと分かっていても、ただ相手に言い出せなかったりで、前にも後ろにも進めずに時間だけが過ぎていくケースではないでしょうか。
ビジネスでもこのように判断に迷ったり交渉が暗礁に乗り上げて停滞したりする状況は日常的に起こりますが、分析が難しいからと言って立ち止まることは許されません。
タフで馬が合わない交渉相手であっても対話を重ねながらできるだけ情報や譲歩を引き出し、与えられた環境、条件、期限の中でことを進めていく必要があります。
しかし、仕事ではこのような状況でフリーズし、アクションが取れなくなっている部下がいたら、上司の立場で助言や指導を与えながら交渉を進行させるよう促している人も、いざ自分の家庭問題ともなるとどうでしょう。
その部下と同じようにフリーズしてしまい、ダラダラと結論を先延ばし、冷めた夫婦生活を続けてしまうことが多い気がしませんか?