新連載:幸せな結婚のバランスシート

傍から見ると幸せそうでも実は「ゾンビ夫婦」というケースもままある(Pixabayからの画像)

大手総合商社でことごとくM&Aを成功

 私は2度離婚をしています。

 自身の不徳部分はさておき、この経験を通じていかに夫婦関係というものが難しく、また明治時代にできた今の日本の結婚制度が現代に生きる人々の幸せを必ずしも支えられていない面も顕在化してきている部分などを痛感しました。

 一方で、20年超にわたり勤務してきた総合商社で担当したM&A、すなわち「会社同士の結婚」では、すべての案件で当初の目論見を概ね達成できました。

 既に想定以上のリターンを得てエグジットした案件を除いては、私が退職した後の現在もさらなる発展を目指して躍進中と漏れ聞いています。

 なぜ自分は「人同士」の結婚では全戦全敗だったのに、「会社同士」の結婚では全戦全勝できたのか。

 そうだ、会社では普通にやっていることを、結婚する時や夫婦生活ではほとんどやってないのではないか、と気が付きました。

 例えば、会社にはビジョンがあり、その達成度合いを測るKPI(業績評価指標)が設定されます。

 決算書の作成を通じて定期的に会社全体の健康状態をチェックしますし、経営者が暴走しないようにステークホルダーが監視をする仕組みなども整備されています。

 ところが、多くの夫婦にはそのいずれも導入されていません。

 この連載では、一時的な感情や旧来からの固定観念に引っ張られがちな夫婦の関係に会社経営の枠組みや考え方を取り入れる提案をしています。

 それにより長期の視点で、かつロジカルに関係を「夫婦のバランスシート」を活用しながら整理し、互いに幸せを実感できる個々の夫婦の在り方を共に作り上げていくためのヒントをお伝えしていきます。