結婚している夫婦は離婚した人より幸せか

 1回目は、夫婦関係に問題を感じた際に離婚に踏み切る人と、踏みとどまる人を分かつものは何かなどについて考えていきたいと思います。

 さて、結婚するカップルが10組いたら、そのうち3組は離婚すると言われています。

 結婚は「一生に一度のコト」で、離婚は「恥」や「失敗」「欠陥」と評されがちで、一度離婚をすると「バツイチ」、それが2度目になると「バツニ」と、まるで前科持ちであるかのよう「拍」が付いていきます。

 反対に、7組のカップルは結婚を続けているわけですが、その人たちが皆幸せなのかと言えば疑わしいと言わざるを得ません。

 もちろん、お互いが「結婚して良かった」「この人と一緒にいられて幸せ」「結婚してからより関係が良くなった」と感じ、円満に夫婦生活を送っておられるご家庭も一定数あるでしょう。

 ただ、その7組のすべてがそう思えているわけではなさそうです。

 本当は離婚できたらいいなと考えているのに、様々な事情や理由でそこに踏み切れていないだけのご夫婦も意外と多いのではないでしょうか?

 離婚したいと思う理由には、ネガティブな側面とポジティブな側面の2つがあります。

 精神的、物理的な不安や不満、負担などから逃れたいという、主に相手に原因があるネガティブなのもの。

 そして、関係を解消することで精神的、物理的な伸びしろを追求したいと願う、自分都合的な動機からくるポジティブなものがあります。

 前者には、感情的なもつれや疲弊、浮気や暴力などの問題行動、金銭感覚の違いや、家計負担の不公平感など経済要因、愛情の喪失など、様々な要因が考えられるでしょう。

 一方、後者では、より自分の能力が生かせたり、社会への貢献を実感できたりする仕事にチャレンジしたい、過度なストレスや雑踏から解放された環境で、より自分らしい生き方を実現したい、本当に愛すべき対象を配偶者のほかに見つけてしまい、その人と一緒に暮らしたい、などが例として考えられます。