節税知識ゼロ、医療費控除も生命保険料控除もやってない!

 そこで、Yさんがどれくらい節税の知識があるのかを確認するために、Yさんに歯の矯正代やインプラント代について医療費控除の申告をしているか、加入している保険について生命保険料控除の手続きをしているかなどを聞いてみました。

 するとYさんは、きょとんとした顔をして、「何ですかそれ?」の一言。これまで歯の矯正代やインプラント代の医療費控除の申告をしたことがなく、生命保険料控除についても全くわからない様子でした。

 これは、もしかしたら他にもあるかもしれないと思い、色々と質問していったところ、iDeCoに加入していることも判明しました。iDeCoの掛け金についても何の申告もしていないとのこと。そこで、Yさんに所得控除の説明や所得控除が節税に効果があることをお話ししました。

 そもそも私たちが支払っている所得税や住民税ですが、収入金額に税率を掛けて求めるわけではありません。所得税、住民税は「課税所得×税率」で算出されます。

 つまり、課税所得が減れば税金を抑えること、つまり節税が可能で、手元に残るお金を増やせます。課税所得を減らすためのキーワードとなるのが「所得控除」です。

 所得控除とは所得税額を計算するときに、本人や家族の状況、災害や病気といった個別の事情を税額に反映させる制度です。

 所得控除は15種類ありますが、Yさんが利用できる所得控除で手続きをしていない控除は「生命保険料控除」「小規模企業共済等掛金控除(iDeCo)」「医療費控除」でした。

図表 所得控除の仕組み、(株)Money & You 作成
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 では、ここでYさんが利用できる所得控除も含めて、15種類ある所得控除の中から会社員の方が始めやすい控除をご紹介します。