Cさんと早貴被告の対峙
Cさんは野崎氏が亡くなったとき、アプリコ関係者や野崎氏の親戚にも連絡をよこさず、通夜・葬式にも姿を現さなかった。
そんな彼女が、田辺の野崎氏宅を訪れたいと知人を介して連絡してきた。野崎氏が亡くなってから2カ月後の7月末のことだったという。
祭壇に手を合わせたい、残していった荷物を取りに行きたいというのが表向きの理由だった。しかし、それを鵜呑みにする者はいなかった。
「入籍からわずか3カ月後に覚醒剤の大量摂取で亡くなった野崎氏が妻として選んだ早貴被告の顔を見たかったというのが本音でしょう。当時、すでに早貴被告が怪しいのではないかという声が出ていましたから、Cさんも彼女と会ってみて、自分の目で確かめたかったのでしょう」(古い知人)
Cさんは昼過ぎに古くからの女性知人と一緒に早貴被告が待つ自宅に入った。1時間半弱の滞在だったが、早貴被告との会話はあまりなかったらしく、談笑をするような雰囲気ではなかったという。
「私は10年もドン・ファンと暮らしていたのに、入籍わずか3カ月で殺すことはないでしょ。遺産がそんなに欲しかったの?」
Cさんは早貴被告にこうタンカを切りたかったのではないだろうか。
一方の早貴被告は、Cさんの訪問について、
「全く気にならなかったですから、お茶を出して挨拶をしただけです」
と周囲に語っていたという。
公判に出廷したCさんは、公判で野崎氏との思い出を語る時に涙声になっていたのが印象的だった。