「紀州のドン・ファン」野崎幸助氏と早貴被告。2018年5月、近親者だけで開かれた愛犬イブのお別れ会にて(撮影:吉田 隆)
拡大画像表示

 和歌山県田辺市の資産家、「紀州のドン・ファン」こと野崎幸助さん(享年77)に対する殺人罪などに問われている元妻・須藤早貴被告(28)の裁判員裁判の第14回公判が、10月17日、和歌山地裁で開かれた。

 この日、検察側の証人として出廷したのは、早貴被告よりも前に野崎氏と婚姻関係にあったCさんだった。Cさんはそこで「(野崎氏は)覚醒剤を使うような人ではない」と証言したのだった。

 野崎氏は2018年5月に急性覚醒剤中毒で死亡した。口から致死量の覚醒剤を摂取したとみられ、自殺や誤飲の可能性を排除できるかが争点の一つとなっている。また野崎氏から離婚を切り出されたことで遺産を受け取れない可能性が出てきた早貴被告が、妻の座にあるうちに野崎氏に亡くなってもらうため殺害したと検察側は主張している。

法廷に立った、早貴被告の「前の妻」

 この日、出廷したCさんは、2002年からおよそ10年間、野崎氏と夫婦関係にあった。2人の年の差は20以上もあった。

 Cさんの証言によると、婚姻当時、野崎氏が違法薬物に手を出していた様子はなく、ニュースで芸能人や有名スポーツ選手の覚醒剤使用が報じられると「こんなんなったら人間終わりやな」と話すなど、覚醒剤使用を嫌っていたという。また、自殺の可能性も「考えられない」と否定した。

 このCさんはどのような女性なのか。

 Cさんのことを良く知る野崎氏の酒類販売会社「アプリコ」の元従業員によれば、

「女優の中谷美紀に似ている美人で、よく気が付く才色兼備な方です。自ら率先してお酒の配達もしたし、従業員に対しても心配りができる優しい性格の方でした」

 とベタ褒めだ。

 野崎氏にはCさんの前に最初の奥さんがいた。その奥さんと離婚後、東京・飯倉にあった高級クラブでCさんと知り合ったという。背が高く、肉感的なCさんを野崎氏が惚れぬき、やっとのことで結婚まで漕ぎつけたのだという。