7.ロシアステルス爆撃機の自軍による撃墜

 BBC(キエフ)ニュースによると、2024年10月5日、ウクライナ領内にロシア空軍の無人戦闘航空システム、「S-70(オホートニク)」が墜落した。

 この機は、ロシアの第5世代戦闘機「Su-57」と連携して動作するように設計されている。

 この時は、「オホートニク」を後ろから追跡していたSu-57ステルス戦闘機がこれを撃墜した。

 撃墜の理由は、両機ともウクライナの防空圏に侵入していたことで、何らかのトラブルが起きたオホートニクがウクライナに渡るのを防ぐため、破壊の決定が下されたと推測されている。

 このとき、ロシアが無人機の制御を失ったのは、ウクライナの電子線システムによる妨害によるものだと考えてよい。

8.ロシアの無人機はほぼ無効化される

 ウクライナによるロシア無人機への電子線攻撃が、今年7月から結果が出始め、8月約88機(全数の11%)、9月約166機(13%)、10月前半272機、10月前半の数値から10月末の結果を予想すると約500機(33%)という数で増加している。

 8月の2か月後の10月には数で6倍、比率で3倍に増加しているのである。

 この傾向で増加すると、早くて今年12月、遅くても3月頃には、ロシアの無人機攻撃の100%近くを電子線攻撃で無力化することになる。

 これに対して、ロシアも電子線攻撃を実施できるようになるのか。

 ウクライナのドローン攻撃に対して、ロシアは防空兵器を使っても撃墜できてはいない。電子線攻撃による無力化もできないだろう。

「THE WARZONE『Russian Anti-Drone Electronic Warfare Tank Captured』(2024.04.08)」によれば、ロシアの戦車「T-72」に搭載したロシアの電子線兵器がウクライナ軍によって鹵獲された。

 その映像から、電子線兵器そのものも取り付けも粗雑であったと報告されている。

 これらのことから、ロシアの電子線兵器は、ウクライナの無人機を無効化できるレベルにはないと考える。