3.シャヘドの誘導方式とその欠陥

「THE NEW VOICE OF UKRAINE 『How electronic warfare can counter Russian drones and missiles – expert interview』(2024.01.26)」によると、シャヘドの主なナビゲーションシステムはロシアのGLONASS衛星のナビゲーションシステムを使った誘導(いわゆるGPS誘導)である。

 ということは、シャヘドのナビゲーションシステムは、

①慣性誘導方式とロシアの測位衛星GLONASSを使ったGPS誘導方式の組み合わせ

②GPS誘導方式だけ

③慣性誘導方式だけという3パターンが考えられる。

 シャヘドにはカメラが付いていないので、人が映像を見ながら誘導することはできない。

 GPS誘導であれば、発射前に設定された目標位置とGLONASから決定されるシャヘドの飛翔中の自己位置の差が少なくなるように誘導される。

 もしも、シャヘドに電子線攻撃の対処能力がなければ、電子線攻撃の影響を受ける可能性が高い。

 GPS誘導と慣性誘導の組み合わせであれば、電子線攻撃を受けても、慣性誘導方式に切り替えて目標近くまで飛翔できるが、誤差は大きい。

 慣性誘導だけであれば、発射前にセットされた目標に向かって飛翔するが、電子線攻撃の影響を受けない。

 だたし、この場合100キロ飛翔すれば5キロ前後の誤差が出る。つまり、破壊したい目標に到達できないことがあるということである。