4.シャヘドへの電子線攻撃
国際電気通信連合(ITU)の「GNSS Interference」に関する情報を参考にすると、GPS誘導を受ける無人機の飛行は、妨害(Jamming)とスプーフィング(Spoofing)によって混乱させられるという。
妨害とは、全地球航法衛星システム (GNSS)の衛星がしようするのと同じ周波数で無線信号を意図的に送信して、誘導を妨害することである。これは、軍事作戦に使用されるものである。
スプーフィングとは、偽のGNSS信号を作成してGNSS受信機を欺くものである。
受信機はGNSS衛星から正当な信号を受信していると思い込み、誤った位置を計算してしまうのである。
現実には、電子線攻撃を受けた段階でコントロール不能になり、混乱してその後、落下している。
GLONAS信号を受信できなくなったことで、飛行する自己位置と目標・方向が不明になり、落下すると考えられる。
図 ウクライナによるシャヘドへの電子線攻撃(イメージ)
シャヘドが電子線攻撃を受けて、ロシアあるいはベラルーシに向かって飛行したのは、シャヘドの受信機が偽の信号を受信した結果、誤った計算を行い、ロシアやベラルーシ方向に飛行した可能性がある。
シャヘドは最高速度が時速185キロであり、目視しつつ対空機関銃で射撃ができる。
この速度であれば、目視での電磁妨害もかけられるようだ。
時速750~1000キロで飛翔する巡航ミサイルについては、電子線攻撃で落下させることは現段階では難しい。
電子線攻撃の効果は目標の飛翔速度に影響を受ける。