「石破は農村部、進次郎は都市部」という役割分担

 ここからは特に与党サイドの動きに着目して述べたい。終盤に向け、与党が過半数を固めた上で、さらに自民党が単独過半数をうかがうまでに伸びるかどうかの鍵の一つは、首都圏など大都市部で多い接戦区で競り勝つことだ。

 複数の関係者によると、各種調査で自民党は前職議員でも、前回衆院選より支持ポイントを下げた候補者が目立つという。野党候補と僅差で争う小選挙区が増加。大都市部では無党派層や投票先を決めていない人が相対的に多いとみられており、そこでの票の上積みが重要というわけだ。

 10月11日付の日本農業新聞によると、同紙が10月上旬までに行った農業者を中心とする同紙農政モニター対象の調査で、石破内閣支持率は64.8%に上った。石破首相は公示後、北海道のほか東北や四国の激戦区に入っており、地方創生担当相や農相を務めたことによる農村部などの根強い支持を頼みとしているようだ。

◎日本農業新聞「[農政モニター調査]石破内閣支持65% 農業政策に「期待」60%」(2024年10月11日)

 他方、都市部へのアピール力が比較的強いとされる小泉進次郎党選対委員長は公示日に大阪入りしており、役割分担がうかがえた。

自民党の選対本部会議を終えた小泉選対委員長=9日午前、東京・永田町の党本部(写真:共同通信社)自民党の選対本部会議を終えた小泉選対委員長=9日午前、東京・永田町の党本部(写真:共同通信社)