北朝鮮の工兵部隊は要塞の建設や復興支援が目的

 北朝鮮の工兵部隊は直接の戦闘目的ではなく、ロシア軍が占領した地域における要塞の建設や復興支援を目的としている。工兵部隊は後方支援や建設作業を肩代わりすることで、ロシア軍部隊が戦闘に集中できるよう重要な役割を果たすことが期待されている。

 北朝鮮人民をドネツク、ルハンスク両州の占領地域に移送して建設作業に従事させる計画もあるとの情報も流れる。北朝鮮のロシア支援は物資や弾薬、弾道ミサイルの供給に重点が置かれてきたが、兵員派遣は北朝鮮とロシアの軍事協力の大きな節目となる。

 10月14日、プーチンは一方の国が攻撃を受けた場合にロシアと北朝鮮が相互に軍事支援を行うことを定めた条約をロシア連邦議会に提出した。ウクライナ戦争が継続し、中東や台湾海峡でも地政学的な緊張が高まる中、両国の事実上の“同盟”関係を強化するものだ。

 北朝鮮がウクライナの最前線に兵士を派遣する理由について、米紙ワシントン・ポスト(10月15日付)は「ウクライナに対するロシアの戦争に兵士を派遣することは金正恩政権にとって貴重な外貨獲得につながり、両国の関係強化にもなる」と分析している。