約1000キロ試乗した「マツダ3 20S Retro Sport Edition」。浜松の「うなぎぱいファクトリー」にて(写真:筆者撮影)

 マツダとSUBARU(以下、スバル)は9月28日、三重県の鈴鹿サーキットで「再生カーボンの共創活動」について記者会見を開いた。

 国内レースのスーパー耐久シリーズに参戦する両社はこれまで、同じくシリーズに参戦しているトヨタ自動車、ホンダ、日産自動車と「ワイガヤ」と呼ばれる経営および技術部門幹部らによる、2050年カーボンニュートラルを目指した意見交換会を定期的に開いてきた。

 一般的なビジネスミーティングではなく、レースという場でざっくばらんに、ワイワイガヤガヤと話をすることが目的だ。それが今回、マツダとスバルの共創活動に結びつき、両社の量産型ハイグレードモデル登場の期待が高まった。

 鈴鹿サーキットと都心部の往復にマツダ車を使い、その試乗感想を含めて両社の戦略を考察する。

(桃田 健史:自動車ジャーナリスト)

 今回試乗したのは、特別仕様車の「マツダ3 20S Retro Sports Edition」(前輪駆動)。途中、静岡県浜松市を経由するなどして4日間で合計約1000km走行した。

 マツダは水素化処理植物油(HVO) を使用した「マツダ3 Bio concept」でスーパー耐久シリーズに参戦中だ。次世代のカーボンニュートラル関連技術を開発するのが目的である。

ボンネットとリアウイングに再生炭素繊維を活用している、スバルのスーパー耐久シリーズ参戦モデル(写真:筆者撮影)

 ベース車であるマツダ3は、2019年にフルモデルチェンジし、日本、タイ、中国など世界各地で生産・販売されているマツダのグローバルカーである。

 マツダ3にはさまざまなタイプのエンジン搭載モデルがあるが、今回の試乗車はハイブリッドのe-SKYATCIV G 2.0を搭載する。

 エクステリアパーツをブラックで統一し、特に今回の試乗車カラーであるジルコンサンドメタリックとの相性がとても良い。

 インテリアは「 テラコッタ×ブラック」と称して往年のクルマをイメージさせるレトロ調な雰囲気を演出している。

 乗り心地は、18インチタイヤによってスポーティに感じる。