大統領選でトランプ氏が言及

 ブルームバーグの報道によると、「リマイグレーション」は今年9月中旬にも多用されたことがわかる。9月15日、トランプ前米大統領がXで、大統領選を制した暁には「移民による侵略」を直ちに停止すると投稿した。その中で「カマラ(ハリス副大統領)の不法移民を自国に送還する」とも記し、カッコ内に「これはリマイグレーションとも呼ばれる」と書いた。

 オーストリア同様、米大統領選においても移民問題は大きな争点として着目されている。トランプ陣営は「ハイチ系移民がペットを食べている」というデマを撒き散らしてまで、移民敵視による票稼ぎを目論んでいる。

【過去記事】
「ペット食い」発言で開き直るトランプとバンス、なぜハイチ系移民がヘイトの標的に?日本人もひとごとではない

 ゼルナー氏の妻は米国人女性で、トランプ氏支持者の極右インフルエンサーでもある。ブルームバーグによれば、ゼルナー氏の妻も、夫の差別的な陰謀論の拡散に協力してきたという。

 ゼルナー氏はワシントン・ポストに対し、 トランプ前大統領がこの言葉を使ったことが、自分たちの「正当性」を表すと 嬉々として語ったという。この言葉を広めることで、自分たちが「国際的な地位を確立」し、政治的な勝利を収めたと話した。 

 物議を醸す「リマイグレーション」だが、そもそも白人至上主義者たちの主張自体が矛盾している。